平成25年度事業報告

講座名
公演名

「具体美術協会」セミナー・ワークショップ:アメリカにおける戦後日本美術展

講師名
出演者名

尾崎信一郎(鳥取県立博物館)、鈴木勝雄(東京国立近代美術館)、加藤瑞穂(大阪大学総合学術博物館)

日時

Vol.1:
平成26年 2 月15日(土)13:30〜16:30
Vol.2:
平成26年 2 月22日(土)13:30〜16:30

コマ数

2コマ

会場・教室

大阪大学会館2階セミナー室

受講者数
入場者数

受講者:13名
入場者数:19名

内容

 受講者にはテーマに関していくつかの設問に回答してもらうアンケートを事前に実施し、それを前提にして、2月15日は加藤が担当した。前半は、展覧会という催しが一般的に持つ政治性について解説した後、テーマとなっている具体美術協会の活動概要を、この度初めてDVDに変換した16mm記録映像や写真を交えて講義した。後半は、2013年にニューヨークのグッゲンハイム美術館で開かれた「具体——素晴しい遊び場(Gutai: Splendid Playground)」展について、実際に展示作業に立ち会った経験をふまえて、その方法の特徴を説明し、課題を提起した。特に現存しない作品のうち展覧会のために再制作された作品について、その是非を受講者に問いかけ討議した。 2月22日は尾崎氏と鈴木氏を講師に迎え、最初に尾崎氏からは「欧米における戦後日本美術展——具体美術協会はいかに受容されたか」、鈴木氏からは「日本の戦後美術再考:グローバルな視点の置き方」と題してそれぞれご報告をいただいた。聴講にあたっては、事前に各氏が準備されたテクストを15日に配布しておき、内容をよりよく理解できるよう配慮した。その後加藤がモデレーターとなって、鈴木氏が担当された「実験場 1950s」展(2012-13年)、ニューヨーク近代美術館での「東京1955-1970」展(2012-13年)、グッゲンハイム美術館での「具体」展(2013年)等の具体的な事例を検討しながら、今後いかに日本で、欧米が試みる戦後日本美術史の語りを編み直していくかについて意見交換した。
今年度事業の振返り  海外で「日本戦後美術」への関心が高まり再評価が進んでいる一方で、日本国内では「戦後日本美術」自体あまり知られていないという現状について、認識を新たにする機会になったと考える。また歴史的事象を取り扱う展覧会では特に、作品の歴史的な意味・価値と、それを「今ここ」で鑑賞する体験が持つ意味・価値とをどのように両立させるかが、重要な鍵となることを、複数の展覧会企画者の経験を通してある程度は提示できたのではないか。課題としては、受講者が自らの思考を何らかのかたちにまとめて具体的に提案するという時間を取れなかった点が挙げられる。

次年度に向けて

 諸事情により来年度は美術に関するプログラムの担当者が一部代わり、それに伴って内容も変わるが、展覧会とは作品が当初置かれていた文脈からそれを取り出し、新しい文脈の中に位置づける行為である点は通底しており、それを受講者自らが体験できるプログラムになると予想される。

写真

h25 6a-12月15日実施風景h25 6a-22月22日実施風景