AIR(アーティスト・イン・レジデンス)Vol.2【11月14日(金)-16日(日)開催】

Vol.2 クリッシー・ティラー ワークショップ&プレゼンテーション:『Chrissie Tiller Workshop「おみおくり」イベント』

1:特設サイト(リサーチアーカイブ):http://koefes-air-2014-ctws.tumblr.com/

2:おみおくりイベントの映像 https://vimeo.com/113323465

Vol.2では、解体の決まった大阪大学旧石橋職員宿舎を主な会場として、またその状況を素材として、ワークショップとプレゼンテーション(「おみおくり」イベント)を行った。文化財として保存される建物を会場としたVol.1とは異なり、取り壊される運命にあるところで(戦後に建てられた多くの近代建築が類似の状況にある中で)、アートコーディネーターはどんな仕事をなし得るだろうか。前年度のワークショップ(抽象的空間での仮想企画)とは違って、今回はワークの場所が具体的なコンテキストをもっているため、プロジェクトメンバー(コアメンバー)は、元住民へのインタヴューや、建物ないし環境のリサーチを行いながら、それを招聘アーティストに伝えていった。ワークショップとプレゼンテーションの当日は、チームを三つに分けて、それぞれ自分たちで企画を立てて、その立案を実施するところまで行った。この三日間のワークにおいては、「議論のための議論」に陥りかねない話し合いを極力控え、動くことから開かれる新たな展開を楽しむよう心がけた。具体的な行為を伴う「実施」は、仮想と違い、そのプロセスにおいて個別的な感情や特殊な記憶が喚起されやすい。リサーチの対象としてあったはずの「大阪大学旧石橋職員宿舎」の一般性が、その部屋ごとに一つの生活を有していたであろう個性的な「家」へと変わり、これまで見えていたものの輝きが増してゆく。参加者は、消えゆくものを課題としたアートイベントにおいては、こうしたワークの仕方もあり得ることを、身を以て体験したことだろう。

〈記憶セクション〉

宿舎の三つの住居を使って記憶にまつわる創作を行った。一つ目は宿舎のナンバープレートや植物を用いたインスタレーションを、二つ目は記憶にまつわるパフォーマンスを、三つ目は住民が残していた宿舎へのメッセージ(落書き)を集めて記憶の言葉を紡ぎだす空間を作った。

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〈未来広場セクション〉

宿舎に残されていた様々なものを集めて未来の広場を創り出した。この場所にある資源をもとにして―今後ここが「こんな(遊び場・集いの場)になってくれたらな」と夢想して―広場を創った。ここは参加者が思い思いに遊び、創作し、感覚を開かせてゆく場となった。

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〈セレモニーセクション〉

宿舎を「おみおくり」するセレモニーを行った。宿舎の中に仮設したカフェ(お茶室)でちょっとした儀式を為してから、待兼山の山頂へ、そして白鳥池(中山池)に。日も落ちて暗くなったこのキャンパスの中の山道を参加者が列をなして歩く… それはまさにこの地を感覚とともに記憶に残す行為。参加者は最後に、想い出や未来へのメッセージの書かれた風船を夜空に放ち、灯籠を池に浮かべ、消え行くものの存在を追体験した。

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