AIR(アーティスト・イン・レジデンス)Vol.1【11月1日(土)-9日(日)開催】

Vol.1 ジョアン・ガルシア エキシビション&セミナー:映像・写真展『Kamishinden Fantasy 上新田 ゆめまぼろし』

特設サイトhttp://kamishinden-fantasy.tumblr.com/

Facebookhttps://www.facebook.com/kyushinden2014

大阪府の指定有形文化財でもある旧新田小学校(豊中市)で、ポルトガル人写真家ジョアン・ガルシア氏の展覧会を開催した。特殊なコンテクストをもつ会場にアーティストを招くとき、場所への事前リサーチは必要不可欠である。プロジェクトメンバー(コアメンバー)は、ガルシア氏が来日する前から小学校や周辺の地域へのリサーチをすすめ、その結果を彼に伝え、意見を交換しあった。このようなやり取りの積み重ねから、コアメンバーはAIRにかんする仕事の仕方を身に付け、また国際的催事に必要な知見を広めていった。 また、コアメンバー自身により企画された四つの関連プログラムは、こうしたリサーチの賜物ともいえる。会期中毎日実施された「みちくさ集団登校」では、千里中央駅から会場までの複雑な道のりを逆手にとり(あえて「みちくさ」として)、四〇〇年もの歴史をもつ上新田地区や近隣の千里ニュータウンの開発地区を遊歩しながら、時の移ろい馨るところや展覧会への伏線が張り巡らされたところを案内した。初日の「オープニングトーク」では、写真をメディアに新旧の住民のコミュニケーションを培ってきた地元の写真家と、写真批評やアーカイブ研究に長けたいわば外部の写真研究者を迎えて、オーディエンスとともに多くのことを話し合った。「写真ワークショップ」では、ガルシア氏が自身の写真に対する考えを講義し、参加者がそれを咀嚼しながら自ら写真を撮って、セレクトまでを行い、そしてその選んだ写真をガルシア氏に送るという流れをとった(それらの写真は後日、ガルシア氏の手によって小学校内に展示された)。また、「朗読劇」では、この地にゆかりのある島田陽子さんの詩が導きの糸となり、私たち自身の記憶と上新田界隈の移ろいとが交差するファンタジーが創作された。これらの企画を担ったコアメンバーは、広報・集客をも自身で行った。

〈みちくさ集団登校〜ときの分かれ道を歩く〜〉

11月1日(土)〜 11月3日(月)16:00 〜 16:30
11月4日(火)〜 11月5日(水)18:00 〜 18:30
集合場所:大阪モノレール「千里中央」駅改札
道案内:石川千華 上野美子(フェスティバルフェロー)
※11月3日の文化の日は外国語対応のインターナショナル版(通訳等協力:飯田沙央里、植森阿津子、宋瀟、平井麻理奈、以上フェルティバルフェロー)。 michikusa 参加者は、江戸期に建てられた民家や街道、竹林を抜けた先の秘密の路地などを案内人とともに「みちくさ」しながら歩いた。

〈オープニングトーク〉

11月1日(土)17:00 〜 19:00
話し手:ジョアン・ガルシア(本展の作家)、林田新(京都市立芸術大学芸術資源研究センター/大学非常勤講師、写真研究)、福原直輝(千里中央パーク・ヒルズ自治会相談役/新田公民分館顧問、写真家)
通訳:ダンカン・ブラザトン(Out Of Office)
司会:若月万平(フェスティバルフェロー)

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オープニングでは、ガルシア氏やゲストのみならず、集まった方からの声も飛び交う、とても厚みのある二時間となった。

〈写真ワークショップ〉

11月2日(日)17:00 〜 19:00
講師:ジョアン・ガルシア
通訳:高橋綾(大阪大学コミュニケーションデザイン・センター特任研究員) ファシリテーター:若月万平(フェスティバルフェロー)
※ワークショップ参加者の写真は11月6日(木)〜11月9日(日)10:00〜16:00の間、同会場に(「豊中市文化財秋の一般公開」の枠組みで)展示され、また、その写真についての講評会は11月9日(日)14:00からおよそ1時間半に渡って行われた。

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写真ワークショップでは、ガルシア氏を囲んで写真に対する彼の思索に触れる機会となった。

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参加者はこの後、本展の会期が終わる日までに、自分で撮影し選んだ三点の写真とそのタイトルをガルシア氏に送った。それらの写真は本展終了後の「ミニ展覧会」として小学校に一室に展示された。

〈朗読劇〜夢見る人〜〉

11月4日(火)19:00〜19:30
作・演出:生口恵理(フェスティバルフェロー)
演出助手:川崎眞美(フェスティバルフェロー)
出演:吉見尚子、江崎拓(劇団ZTON)、平岡亮

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朗読劇「夢見る人」にも多くの人が訪れた。今は使われなくなったこの教室で、島田陽子さんの詩や上新田の歴史をもとにした一日限りの「授業」が再開。過去と現実が交叉するコミカルな空想劇が上演された。